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マネージャー向けガイド: バーンアウトに立ち向かう方法

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編集メモ: この記事は Quartz に掲載されたものです。

過酷なストレスは、今や仕事において身近な存在となってしまいました。去年、ナレッジワーカー (知識労働者) の 71% が一度はバーンアウト (燃え尽き症候群) を経験しています。さらに、メンタルヘルスの状態を「悪い」または「非常に悪い」と回答した労働者の割合が、5% から 18% に急増しました。ストレスレベルが「高い」または「非常に高い」と回答した割合は、42% に上ります。このようなストレスやプレッシャーの高まりは、明らかに時代の流れを感じさせます。

これは Asana「仕事の解剖学」インデックス 2021 報告書に基づいています。この調査では、回答者のほぼ半分が、バーンアウトの主な要因として過労を挙げています。つまり、問題の要因はオフィス内にあるのです (今では Zoom などのオンライン会議が主な仕事場かもしれませんが)。2020年は世界的なパンデミックの発生に加えて人種差別問題が世界を騒がせた年でもあり、働き方が大きく変わり、多くの人がストレスを感じています。社員が今まで通りに仕事を続けられることが当たり前のことではなくなりました。

過労の影響は、社員個人だけにとどまりません。疲労が蓄積すると、エンゲージメントが低下し、企業全体がその影響を受けることになります。しかし、バーンアウトやストレスを軽減し、従業員の明確さと集中力を高め、企業の回復力を維持するためにマネージャーができることはたくさんあります。 

1. 質問の場を設ける

マネージャーは、積極的にコミュニケーションをとり、すべての関係者が自分の経験を話しやすいオープンな対話の場を作る必要があります。1on1 ミーティングや Q&A セッションなど、従業員が貴重な情報やフィードバックをリーダーと共有する場を提供しましょう。リーダーはこれらの洞察を企業文化の形成やバーンアウトの抑制に役立てることができます。 

スムーズなコミュニケーションを行えば、他の分野でも柔軟に対応できるようになります。ポモドーロ法Focus Sprint など、さまざまな働き方を始めたり、取り入れたり、受け入れましょう。特に在宅勤務を行っている会社ではワークライフバランスに配慮してください。従業員にはプライベートと仕事の境目を明確にするように伝え、あなたも他の従業員もその境界を尊重するようにしましょう。 

2. すべてを説明する

柔軟性は、明確さがあって初めて機能するものです。現在、非現実的な仕事を期待されることやプロセスが不明確であることが原因で、26% の割合で期日への遅れが発生しています。このような事態を避けるためには、マネージャーは事前にプロジェクトの具体的な指示やガイドラインを作成する必要があります。また、社員に特定の職能を割り当て、障壁があればそれを取り除く準備もしておく必要があります。これにより、チームの生産性が向上し、仕事の停滞を防ぐことができます。

仕事を見落とすことは誰にでもあることですが、それを見つけたり、少なくともそのリスクに気づくことはマネージャーの責任です。そのためには、マネージャーはマイクロマネジメントに陥らないように気をつけつつ、プロジェクトを管理する必要があります。微妙なバランスですが、ワークマネジメントプラットフォームのようなリソースとオープンな対話により、マネージャーはチームのワークロードを把握し、必要に応じて介入してアドバイスを提供したり、仕事を調整したりできます。

3. 自主性を尊重する

リーダーは、従業員が仕事の進め方を自分でコントロールできるようにする必要があります。チーム全体のまとまりが重要であることに変わりはありませんが、社員に自律性を与えることは、バーンアウトの根本原因に迫る健全なアプローチであり、マネージャーが個人、チーム、会社の各レベルで使用できる、より大きな Demand-Control-Support (DCS) モデルの一部として機能します。 

このモデルの基本的な考え方は、個人への要求を減らし、仕事をより自分でコントロールできるようにし、仕事をやり遂げるためのサポートを増やすことです。要求を減らすとは、あまりにも多くの責任を負うようになった特定の役割の範囲を縮小することです。コントロールを増やすとは、柔軟な勤務時間や完全なオフタイムを認めることです。サポートを強化するとは、単に誰かの仕事を減らすだけではありません。社員は、育児のサポートを必要としていますか?それとも悩みを吐き出す場所を必要としていますか?これらの要求、サポート、またはコントロールのうちの 1 つまたは複数を実施し、会社の状況に合わせて調整することができます。 

もう 1 つの重要なサポート方法は、休息を見直すことです。平均的なナレッジワーカーの一日の睡眠時間は 7 時間以下で、来る日も来る日も同じことを繰り返しています。スイッチをオフにできるダウンタイムを大切にすることを当たり前のことにし、模範を示すのはリーダーにかかっています。完全にオフラインになる時間を取ることを奨励し、最低限の休暇取得を徹底し、仕事が終わったらログオフするように社員を導きましょう。 

4. 気が散らないようにする

仕事自体が原因で仕事が進まなかったことはありませんか?「仕事の解剖学」インデックスでは、「仕事のための仕事」、つまり、タスクについてのコミュニケーション、情報の検索、アプリの切り替え、移り変わる優先順位の管理プロジェクトの状況のフォローアップなどが社員の 1 日の 60% を占めていることが明らかになりました。社員は 1 日の半分以下しか、自分が担当する業務や戦略に時間を費やしていないのです。これはどのようにして起こったのでしょうか?

メール、インスタントメッセージ、スプレッドシート、カレンダーなど、1 日のうちに仕事で使用するアプリやプラットフォームの数を考えてみてください。これらを操作し、保存されている情報や共有されている情報を把握することは、まるでハムスターの回し車の中を永遠と走り続けるようなものです。Asana のような包括的かつ直感的で柔軟なツールを使えば、チームのワークマネジメントプロセスを合理化し、成果につながらない仕事の大部分をなくすことができます。 

これは、マネージャーと社員の両方が、マルチタスクに関する誤った通念を一掃するのに役立ちます。忙しいことにロマンを感じる現代において、これまでマルチタスクと称されてきたものは、実際には効率の悪いタスク間の切り替えに過ぎません。すべてのアプリを同時に開いていることで、その傾向はさらに強まります。マルチタスクは、仕事の重複、締め切りの遅れ、イライラの原因になります。マルチタスクが「神話」にすぎないことを理解すれば、マネージャーは邪魔されずに仕事を進めるための専用の時間を設け、それ以外の時間に会議やメール対応のスケジュールを組むことができます。

5. インポスター症候群に対処する

調査回答者の約 3 分の 2 が「インポスター症候群」を経験しています。これは、慢性的な自己不信の一種で、自分の業績や能力にかかわらず、自分は不十分だと感じてしまうことです。会社の成功や自分自身の成功に積極的に貢献できると感じられなければ、社員はやがて努力をしなくなります。 

インポスター症候群との戦いは、社員が入社した瞬間から始まります。特に新型コロナウイルスが流行する今、すべてのマネージャーがこれを考慮し対策を考えるべきです。2020年のパンデミック中に業務を開始した新入社員の約 80% がインポスター症候群を経験し、これは 2019年の 57% から大幅に増加しています。これは、リモートワークでは、集まって成功を祝い、同僚同士の仲間意識を強める機会が大幅に制限されているためと考えられます。新入社員が初日から歓迎されていると感じられるようにすることは、会社、人事部、チーム、そして特にマネージャーの、全員の責任でもあります。新入社員をチームに迎え、彼らが自信を持って快適にアイデアを表現し、自分らしさを共有し、課題に立ち向かうことができる環境を作ることで、最高の仕事をするモチベーションを引き出すことができます。

勤続年数の長い社員であっても、インポスター症候群に陥ることがあります。特に自宅に子供がいる親ではその割合が 67% に及び、会社側は常にこの問題に対処する努力をしなければなりません。社員の成功を公私ともに祝うことで、彼らの価値と素晴らしさを再認識させましょう。(今後もソーシャルディスタンスを維持する必要があるため) 直接お祝いすることは難しいでしょうが、社員の成功を本人そして他人にも認めることで、その社員だけでなく、他のチームメンバーにも前進し続ける勇気と自信を与えることができます。 

ワークマネジメントの分析と行動計画の詳細については、仕事の解剖学 2021 の全文をご覧ください。

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