ja

分散チームの管理術: グローバルリーダーとして時間とエネルギーを管理するには?

この記事は英語フランス語ドイツ語ポルトガル語スペイン語でもお読みいただけます。

現在、私は幸いにも Asana におけるグローバルエンゲージメントマーケティング部長として、5 か国・ 14 人のミッションドリブンなマーケターを率いる機会に恵まれています。私の仕事の大部分は、Asana Together プログラムの拡大・推進にあります。このプログラムは、プロジェクト管理や生産性の向上、コラボレーションの推進に情熱を注ぐプロフェッショナルが集うグローバルコミュニティです。

世界中にいる Asana Together のメンバーと各地域でのエンゲージメントを高めるため、私のチームはアイルランドや英国、日本、オーストラリア、アメリカにいるコミュニティマネージャーたちで構成されています。グローバルな分散チームで働くということは、Zoom 会議の参加はもちろん、エンゲージメントマーケティング戦略を先導しなければならないほか、自分自身が抱えるタスクも同時に終わらせる必要があり、毎日がタイムゾーンのテトリスを攻略するような感じです。何事にも代えがたい仕事ではあるものの、この規模のグローバルチームを調整していくうえで、規模に応じた課題に直面することもあります。

最近は分散ワークの時代にあってチームを再統合する方法を考え始めている組織が増えています。このタイミングで、分散チームのマネージャーとして学んだことを皆様とシェアしたいと考えました。最も大切なことの一つは、自分自身のケアを意識的に行うことです。たとえば一日の計画をどのように立てるか、チームミーティングにどのように参加するのか、などです。グローバルリーダーとして時間とエネルギーをうまく管理するために、私から 5 つのヒントをご紹介します。

1. 自分のエネルギーを意識的に使う

グローバルチームを管理するあなたは、チームメンバーの地域に合わせてすべてのタイムゾーンで一通りの会議に出席しようとしているかもしれません。これはバーンアウトの原因にしかなりません。世界中のメンバーの時間に合わせてすべての会議に出席すれば、当然ながら倒れてしまいます。

すべての会議に出席する代わりに、あなたは重要な会議にだけ出席し、仕事を任せられる各地域のチームメンバーに徐々に仕事を割り振っていきましょう。たとえば、各地域のチームメンバーに自らのコミュニティを拡大するための施策をリードしてもらってみてください。あなたは最初のほうの会議にいくつか参加し、戦略の枠組みを決めるまでをサポートしたうえで意見を出します。なぜなら、その段階で直接質問したり、その場で答えてもらったりすることはプロジェクトを進めていくうえで重要なことだからです。プロジェクトが始動してしまえば、その進捗情報をチームメンバーと Asana 上で共有します。もちろん、誰かが直接意見交換したいと希望すれば、必要に応じて手短に情報共有を行うようにはしましょう。

あなたの参加が不可欠な会議を優先することで、あなたが最も影響力を発揮できる課題や事柄に向き合うエネルギーを維持できます。また副次的な効果として、あなたが細部まで関わらずともチームメンバーだけで仕事を完遂してくれると信じていることが伝わります。

2. シフト制にする

チームメンバーが複数の地域で働いている場合、あなたの勤務時間をシフト制にするのは自然なことです。たとえば、あなたが私と同じようにサンフランシスコを拠点にしているなら、ヨーロッパのチームと 7 時から 16 時まで働くのを「早番の日」にし、アジア太平洋のチームと 10 時から 19 時まで働くのを「遅番の日」にしてシフトを組むのです。

このシフトをあなたはスケジュール上に反映してチームに共有するとともに、対応不可の時間帯をカレンダーに設定します。個人的な経験から言うと、1 日 12 ~ 14 時間も働いてしまうことは得策とは言えません。そもそも仕事を楽しめなくなるうえに、休息を優先させないことには、チームメンバーの前で一番いいパフォーマンスを発揮できなくなります。

3. チームメンバーのタイムゾーンを熟知する

チーム会議を調整するときは、より一層タイムゾーンの違いに意識的になりましょう。あなたのチームが北米、アジア太平洋、ヨーロッパをまたぐような場合、全員が参加するのに都合のいい時間帯は存在しません。多くの国では、そして同じアメリカ国内でも一部の州では、サマータイムが導入されていないため、スケジュール調整はさらに困難を極めます。会議を調整する際は、これらのことに注意を払い、World Time Buddy をブックマークしておくようにしましょう。チームで会議を計画するときに役立ちます。

私がチーム会議を調整する際によくやることは、「痛みを分かち合う」アプローチです。極力、(私も含めて) 朝のすごく早い時間や夜のすごく遅い時間に参加する人がいないように調整しますが、その結果、ほぼ全員にとって都合のよくない時間に設定されることになります。サンフランシスコにとっては朝の少し早い時間になり、ヨーロッパのメンバーにとっては少し遅い時間になることもあれば、サンフランシスコで少し遅い時間になり、日本などのアジアの国にとっては少し早い時間になったりします。ですが、これはグローバルチームにとっての宿命なのです!

チームの定例会議には、その週の各チームメンバーの予定を確認する月曜のスタンドアップミーティング、水曜のプレゼン練習の時間があります。そしてエンゲージメントマーケティングチーム内のコミュニティとライフサイクルに関するサブチームの情報共有を隔週で行っています。さらに直属の部下との 1on1 ミーティングも毎週あります。全員にとって有意義な会議にするには、それぞれが出席する会議の議題に貢献することが求められます。

4. 顔を合わせる機会を増やすよう努力する

すべてをリアルタイムで行う必要はありません。情報共有会議は録画して共有することができます。スケジュールを調整する必要があるのは、その場での相互的なやりとりが欠かせない会議だけです。

たとえば、Asana のマーケティングチームは、部門全体のタウンホールミーティングを録画し、それぞれの勤務時間にチームメイトが視聴できるようにしています。エンゲージメントマーケティングチーム内では、週の始めの月曜日に毎週リアルタイムでのチーム間での情報共有会議があり、隔週で EMEA に合わせた時間 (午前 9 時太平洋標準時) と APAC に合わせた時間 (午後 4 時太平洋標準時) で行っています。

その場に参加できないチームメンバーは、その週の自分の優先事項を説明する動画を録画し、ミーティングの参加者は全員がそれを同時に視聴します。これで、全員が同じ時間に参加することはできなくても、チーム全員の顔を見られる機会になっています。これほど分散したチームで、一年以上リモートワークを行ってきましたが、信頼を築くためにはつながりを持ち、定期的に顔を合わせることが大切であると改めて感じているところです。

5. グローバルな役割としての宿命を受け入れる

グローバルチームを管理する立場であれば、時には早朝や深夜でも会議に参加せざるを得ないこともあるでしょう。これはグローバルチームを管理する仕事の一貫と言えます。私自身は、決してチームメンバーに不満を言ったりせず、グローバルな仕事にはこういう責任が伴うのだと自分に言い聞かせています。たまに大変な一日があったとしても、それ以上の価値がそこにはあるはずです。さまざまな文化に触れて、異文化コミュニケーションのスキルを磨いたり、自分の世界を飛び出して広い世界の一部を担っていると感じられるのですから。

分散ワークの世界におけるハイブリッド型のチームワークについて、さらにヒントやベストプラクティスをお探しですか?Asana ブログの分散チームを管理するシリーズをご覧ください。

Would you recommend this article? Yes / No