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効率的に仕事を進めたいなら、謙虚な姿勢が重要です

最新の調査により、大企業のリーダーにとって重要な事実が明らかになりました。

この最新の調査は、企業の幹部にとってなぜ重要なのでしょうか?この調査の結果は、スピードと集中力をベースに仕事を進めることを望む企業のリーダーに有益な情報です。今回の調査により、重要なデータや関係者の連絡先、ベストプラクティスがサイロ (部門間の連携が取れていない縦割り構造) に隔離されていると、情報の共有は進まず、効率よく仕事に取り組めないことが判明しました。

この調査を行った研究チームは、マネージャーが優越感を抱いていると、自分の部署の情報や部下の取り組みを必要以上に高く評価し、反対に同じ会社の他部署の知識や情報を過小評価する傾向があると説明しています。

ワシントン大学で准教授を務め、この研究論文で第二著者に挙げられている Abhinav Gupta 氏は Asana に対して、大企業のリーダーは、自分自身の偏見を認識する必要性をマネージャーに伝えるべきだと指摘しています。なぜなら、この偏見こそが、不安定な時期において、迅速な行動を妨げているからです。

大規模な企業を経営しているなら、効率的に仕事を進めるためには、部門間の情報共有を徹底する必要があります。

実験を実行するため、Gupta 氏を含む研究チームは、中国全土 78 の都市に支社を持つ大規模なヘッドハンティング企業の関連会社に勤める 118 人のリーダーを対象として、調査を行いました。この調査は中国以外では行われていないものの、結果は世界のほとんどの企業に当てはまります。

この調査Strategic Management Journal の 2020年 4月号に掲載されたものです。

さまざまな目標を持つ多くの企業と同じように、ヘッドハンティングを行う企業はフレキシブルに事業を運営する必要があります。しかし、ヘッドハンティング業界は、最新のテクノロジーやビジネスモデルを採用することができず、柔軟性の改善や、成功の確率を高める「見える化」に苦労しています。研究チームは次のように指摘しています。

「ヘッドハンティング業界は、近年、中国が経済を拡大にするにつれ、急激な成長を遂げました。しかし、この業界のテクノロジーとビジネスモデルは未熟なままであり、一定の評価を得た指標やベストプラクティスは存在しません。」


調査結果: 「自分自身に絶対的な自信を持つ」と自ら認めているシニアマネージャー (調査では「部門の責任者」と位置づけています) は、情報共有を積極的に遅らせる、または止めていることが明らかになっています (ちなみに研究チームは自己愛傾向の把握に幅広く用いられる NPI-16 調査を介してデータを収集しました) 。

“人事の決定権を持ち、誰がどの職務に就くべきかを考える必要があるマネージャーは、社内の情報共有にとって重要です。自己陶酔傾向のある人物に、このような特徴を持つ人材をさらに採用する可能性がある立場を任せるべきではありません。”

自分自身を有能だと強く思い込んでいる部門の責任者は、部門間の見える化を妨げ、社内での柔軟な取り組みに歯止めをかけていました。これらの部門の責任者の平均年齢は 31 歳で、54% が女性、そして 78% が大卒または大学院卒であることが明らかになっています。

自己陶酔などの (抽象的な) 特徴は抑えることが難しく、また、必ずしもマネージャーとして不適格なわけでも、企業に損害を与えるわけでもありません。

「自分自身のバイアスを認識することが、大きな違いをもたらす可能性があります」と Gupta 氏は Asana に語っています。

Gupta 氏は Asana に対して、自己陶酔傾向にあることを自ら意識しているマネージャー、つまり歯車の一つになるよりも注目を浴びることを望むこと自体は、必ずしも有害ではないと指摘しています。

「自分自身のバイアスを認識することが、大きな違いをもたらす可能性があります」と Gupta 氏は Asana に語っています。

特に複数のチームの採用活動を監督する統括責任者は、オンボーディングを担当するマネージャーに、部門間の情報共有を推奨する人材を配置することを意識するべきです。

謙虚で、他人の気持ちを察することができる部門の責任者、または、少なくとも謙虚な言動を意識し、思いやりのある振る舞いができる責任者は、社内の情報共有にとってプラスに働く存在であり、効率的な取り組みの実現に貢献します。

研究チームは、「部門間の情報伝達に対するハードルを低くすることができる」マネージャーの方がチームのコラボレーションの向上をより容易に導けると指摘しています。

“自分を客観的に評価できる部門の責任者は、忍耐力が強く、また「自分が他人よりも優れているわけではない」「特別ではない」という事実に対して、あまり脅威を感じません。したがって、部門間の情報共有のハードルを下げられるのです。”

Gupta 氏は、進化を続ける、複数の事業を運営する企業は、自己陶酔傾向にある責任者が別の部門の情報を高く評価する環境を作り出していると指摘しています。リソースや情報が足りない場合、そして、その情報や予算不足が事業全体に影響を与える場合、情報共有は単に部門間の問題ではなくなります。

「マネージャーが、置かれている環境の中で情報共有の口実を見つけられる場合、それぞれの性格を表に出す個人的なニーズは減ります」と Gupta 氏は述べています。


まとめ: 世界でも有数の規模を誇る企業で決定権を持つ人物にとって、「不安定な時代で会社を指揮する取り組み」は、より少ない資源でより大きな成果を出すことに他なりません。このように、効率アップを目指す企業においては、関連会社間で情報が自由に行き来し、組織全体がより効果的に連携し、よりスピーディーに事業を運営することが重要です。透明性を高めることで、さまざまな部門の責任者達はお互いを信頼できるようになり、この信頼が主要な事業に集中する力を養います。

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Special thanks to Abhinav Gupta 氏、ワシントン大学フォスタースクールオブビジネス、経営学部准教授、Michael G. Foster 研究員

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