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Shopify が伝授する、Asana の導入をチームにおいて推進するための 7 つの秘訣

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「仕事の解剖学」インデックス 2021 によると、現代の知識労働者 (ナレッジワーカー) は、勤務時間の約 60% を不要な会議、進捗確認、情報検索、ホウレンソウなど、本来の専門能力を要しない「仕事のための仕事」に費やしています。リモートワークへの移行以前にも、米国の平均的な大企業では、知識を共有する際の非効率性が原因で、毎年 4,500 万ドルの損失に相当する生産性の低下が生じていました。

しかし、既存のプロセスがどれほど煩雑で時間を費やすものであっても、いったん定着した仕事の進め方を変えてもらうことは、並大抵のことではありません。最近 Asana では、Shopify のシニアプラスセキュリティアナリスト Katie Laliberte 氏をスピーカーとしてお迎えし、ウェビナーを主催し、同氏が Shopify 社内の複数のチームを通じて Asana の導入の展開と推進を成功させた方法についてお話を伺いました。

Laliberte 氏は、Shopify のサポート部門、アカウントマネジメント部門、プログラムマネジメント部門など、新たなチームで Asana を展開する度に、導入に関わる問題を解決する新たなベストプラクティスを学びました。組織やチームへの Asana の展開と推進を成功させるために、Laliberte 氏が最も重視している秘訣を以下に紹介します。

1. チームの既存の仕事の流れとその最大の問題点を把握する

Asana で新しいプロセスの構築を始める前に、チームの既存のワークフローを明確に把握しましょう。その上で、さまざまな関係者が抱えている問題を理解しましょう。その情報を得れば、チームが直面している現状の課題に対処するために、Asana でどのようにプロセスを設けるべきか、おのずと答えが浮かび上がってくるはずです。

この調査の一環として、既存のプロセスとその問題がチームの生産性と効率に及ぼしている影響を計測しましょう。これを実践すれば、自分たちの声が尊重され、プロセス改善への積極的な参加が重視されていることをチームに実感してもらえるだけでなく、Asana で新しいワークフローを構築するために必要な情報を得られます。

2. あるべき姿について、チームメイトや関係者と認識を合わせる

チームの既存のワークフローと課題を理解したら、Laliberte 氏が勧める以下の 2 つの大事な問いかけを行いましょう。

  • ワークフローのどのような点を改善できたらよいと感じますか?
  • ワークフローをどのような方法で変更できたらよいと感じますか?

この 2 つの問いかけを行えば、チームメイトや複数部門の関係者がプロセス改善を想像する際に思い描く改善後のあるべき姿を理解できます。それにより、新しい仕事の仕方が自分たちが抱える問題にしっかり対処するものとなるとチームに実感してもらえるような適切なルール、コミュニケーション規範、プロジェクト構成を事前に定められます。

たとえば、Laliberte 氏は、現在統率しているチームで Asana を展開した際に、手作業を最小化し、進行中の作業の透明性を最大化したいという主要なチーム目標を知りました。つまり、他のメンバーの仕事を可視化することにより、相手に確認しなくても自分で情報を把握できるようにしたいというのがチームの思いだったのですが、同チームは今まさにそれを Asana の使用により実現できています。

3. 最初はシンプルな形でワークフローを開始する

Shopify で複数のチームにおいて Asana の導入を実現につなげた Laliberte 氏の一番のアドバイスは、「ワークフローと設定はできる限り簡単な形でスタートした上で、その後必要に応じて機能を追加し、プロセス改善を繰り返すこと」です。

Asana は非常に効果が高く、プロジェクトに追加できる機能を多数提供するものの、Laliberte 氏は、最初はシンプルな構成からスタートすることにより、チームへの過剰な負担を防いでいます。たとえば、リクエスト受領のワークフローでは、通常「バックログ」、「進行中」、「待機」、「完了」の 4 つのセクションをまず作成し、プロセスを始動後、必要に応じてより長期的なニーズを見定めています。

通常 Laliberte 氏は当初のプロジェクトの設定に 1 時間ほどかけます。続いて、チームにワークフローを紹介し、セクション間でタスクを移動する方法の概要をチームに説明します。Asana の操作は直感的で誰でも簡単に身につくため、長時間のトレーニングを経なくても、信頼できる唯一の情報源を仕事で活用するメリットを 1 日以内で体験できます。

4. チームとのコミュニケーションを Asana 内で行う

チームに Asana 内に仕事を移動してもらうために Laliberte 氏が推奨しているのは次の方法です。「Asana のタスクでチームメイトとコミュニケーションをとりましょう。担当者と期日が明確なタスクを割り当て、コメントを通じて質問やアップデートを共有し、Asana 以外のアプリに切り替えなくても必要な情報をその場ですぐ参照できるようファイルを添付しましょう。」

Laliberte 氏によれば「Asana への会話の移行を進めるほど、チームは Asana のプラットフォームを使いこなすようになり、Asana が自分たちの仕事に及ぼす効果も認識できるようになります。」つまり、要返信のメールやチャットメッセージを受信したら、それを Asana タスクに移動し、そこから返信しましょう。これを実践するほど、Asana 内に情報を送ってもらえるようになり、その分情報を追いかける必要がなくなります。Laliberte 氏は次のように話しています。「つまり、情報が Asana 内に集約され、都合がよいときに返信できるので、よりすばやく対応できます。また、文書がさまざまな場所に分散している状態ではなく、仕事の完全な記録が 1 つの場所に残ります。」

チームメイトやマネージャーとのコミュニケーションとコラボレーションを Asana に移行するために、もう 1 つの効果的な方法として Laliberte 氏が実践しているのが、1on1 プロジェクトです。現在作業を行っている既存タスクやプロジェクトに関する質問を 1on1 プロジェクトに追加すれば、打ち合わせに向けて具体的な議題を準備できます。こういったプロジェクトは、非同期的にタスクを実行し、過去の仕事や会話のトピックの記録を 1 つの場所で管理するためにも効果的です。

5. フィードバックを求め、定期的にアップデートを共有する

Laliberte 氏によれば、始動直後は、Asana の使用状況について、チームと頻繁なコミュニケーションをとる必要があります。それにより、Asana で発生している問題を把握し、ワークフローの改善を通じて早めに対処できます。これを実践すれば、チームは自分たちの声が尊重され、懸念への対処が行われていると実感でき、このことはチェンジマネジメントと機能導入の成功を左右するカギとなります。

Laliberte 氏が重宝しているもう 1 つのベストプラクティスは、Asana のプロジェクトまたはタスクを通じて、定期的なステータス更新を共有することです。これを実践すれば、仕事の進捗状況についていちいち個別に報告を依頼しなくても、最新情報が自動的にコラボレーターにいきわたるので、チームは関係者全員を通じて仕事の可視性が高まる Asana の価値を実感できます。

6. Asana を既存のツールと連携する

コミュニケーションをとり、仕事を進めるために、おそらくすでに他のツールを使っているチームが多いと思うので、Asana の簡単な連携を活用し、すべての仕事を結びつけましょう。Laliberte 氏のチームでは、Slack との連携により、Slack のメッセージから Asana のタスクやコメントを簡単に作成して仕事の抜け漏れを防げるようになり、画期的な変化がもたらされました。

また、Laliberte 氏は Asana が提供するメールとの連携機能を活用するよう推奨しています。それにより、メールを Asana タスクに変換することができるので、重要なコミュニケーションが常に Asana の仕事と結びついた状態を維持できます。これを実践すれば、必要に応じてチーム全員にコミュニケーションを可視化できます。Laliberte 氏は次のように話しています。「どのツールで仕事を行っている場合にも、Asana の連携機能を活用すれば、タスクの作成を自動化できる方法がおそらくあると思います。」

7. 機能を追加するたびに、ワークフローの改善を繰り返す

新しいワークフローの手順が身につき、Asana の使用に慣れたら、カスタムフィールドルールの追加など、少しずつ機能を追加することにより、重要な情報の見える化と業務の自動化を進めましょう。

Laliberte 氏は、定期的にワークフローを見直すために、理想的には毎月レビューを実施してプロセス改善を検討することを勧めています。たとえば、「この情報を可視化するために、カスタムフィールドがあれば助かる」、「タスクがセクション Y に移動されると自動的に X に割り当てられるルールがあれば、時間を大幅に節約できる」というような声を吸い上げます。プロセス改善を頻繁に繰り返している場合には、おそらく短時間でできる変更となり、それが長期的には大きな時間節約につながります。

Asana の導入を組織で推進する方法についての詳細は、Katie Laliberte 氏のウェビナーをご覧ください (司会: Asana カスタマーサクセスマネージャー、Rasha Harvey)。

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