デジタルワークスペースの ROI (投資利益率)
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過去 18 か月を通じて、ビジネスリーダーたちは、オフィス中心、分散型、その混合型などスタイルにかかわらず、仕事とコラボレーションに適したフレキシブルな環境こそ事業継続のカギであることを学びました。その証拠は数字に表れています。2020年、コラボレーションソフトウェアのカテゴリは爆発的に成長し、この年の上半期だけで、通常の 5 年分に相当するユーザー数の伸びを見せました。さらに、IDC による最近の調査 (文書番号: #US48130821、2021年 8月) によれば、86% の企業が、適正なコラボレーションアプリは優れた人材の定着化に有効であると報告しています。
こうしたデータには説得力がありますが、デジタルによるコラボレーションは、たとえ望んで導入した場合でも、全員にとってスムーズであるとは限りません。そこで、2021年も残り少なくなった今、考えておくべき問いがあります。それはコラボレーション文化を育み、デジタルトランスフォーメーションを加速するワークスペースを、ビジネスリーダーたちはどうデザインできるのか、という問いです。
私たちは今回、ソーシャルとコラボレーションを専門とする IDC の調査ディレクター、Wayne Kurtzman 氏にインタビューし、デジタルトランスフォーメーションについての氏の見解と、企業がコラボレーションの未来に乗り出す方法を伺いました。
御社による調査を踏まえると、過去 18 か月間を背景としたデジタルトランスフォーメーションは何を意味するのでしょうか?また、なぜ多くの企業がこれに失敗しているのでしょうか。
デジタル環境で働く場合、同僚同士をつなぎ、メンバーや仕事とのつながりを実感させることが重要です。業務のみを重視し、従業員のつながりがおろそかになっている会社もありますが、実はこのつながりこそ、トランスフォーメーションを始める重要なカギになります。コラボレーションとは人々が協力して仕事を達成することですが、適切なソリューションを導入することで、テクノロジーがコラボレーションの拡大を後押しします。
また、多くの企業がオフィス業務を完全に再開するか、時短にするか、あるいは廃止するかという難しい決断を迫られていますが、どの選択肢も、会社の文化とチームの人間的なつながりに大きく影響します。
IDC の調査によると、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションに失敗している要因は、企業文化に関連しています。デジタルトランスフォーメーションでは、リーダーが適切なテクノロジーとプロセスのバランスをとり、協働的なデジタル環境を支えることが必要です。テクノロジーとプロセスを導入したら、今度はツールを中心に健全なコラボレーション文化を築く必要がありますが、これを成功させるのが非常に難しいのです。完全リモートワークや部分リモートワーク中であれば、なおさら困難です。
組織にとって引き続き最大の課題は、チームの効果的なコラボレーションを可能にすること、そして分散チームに最大のパフォーマンスを期待できるかということです。実のところ、デジタルコラボレーションを可能にすることは、事業を継続する上で避けて通れません。たとえば、適切なコラボレーションアプリが、優秀な人材の定着化に役立っていると答えた企業は全体の 86% に上っています。
あなたがイノベーションの文化をリバースエンジニアリングするとしたら、ビジネスリーダーはどこから手をつけるべきだと思いますか?
世界中の企業にとって、最大の課題はコミュニケーションを効果的に行うことです。仕事の文脈でコミュニケーションとコラボレーションを行うには、会社のあらゆる階層でリーダーによる発想の転換が必要です。アルビン・トフラーの言葉を借りれば、「学び、学んだことを捨て、学び直せる」企業はより柔軟な発想によって成果を拡大しています。進出できそうな新しい業種を見つけることもこれに含まれる場合があります。
ご承知の通り、パンデミックによって、多くの企業がデジタルワークスペースについて考えを改めることになりました。一つには、リモートワークを可能にするしか選択肢がなかったからですが、現在ではパンデミック中に生産性が向上したことに気づいたことが理由です。そして現実に、コラボレーションへの投資は、採用、リテンション、従業員満足度、究極的には収益といった重要なビジネス指標に大きなインパクトをもたらす可能性があります。
近年、新しい機能やプラットフォームが市場に溢れていますが、ビジネスリーダーは自社にとって適切なテクノロジーエコシステムをどう選択すべきだと思いますか?
自社にとって正しいテクノロジーエコシステムを選択する際に、念頭に置くべきことはいくつかあります。
まず、幅広い賛同者を集め、テクノロジーに関するニーズとメリットを判断します。IDC の調査によると、コラボレーションに関するソリューションの導入には、IT 部門長のほかに事業部門の長が平均で 4 名以上関与しています。管理職以外の従業員も議論に参加させることで、より「現場に即した」意見を得られ、ソリューションの導入に対するメンバーのコミットメントも高まります。
さらに言えば、中央の司令塔を通じてプロセスを動かすようなテクノロジーを選びましょう。ナレッジワーカーは 1 日中、様々なアプリやツールを切り替えながら仕事をしています。そこに新たなツールを追加するよりも、従業員の日常業務のノイズを減らすようなテクノロジーに目をつけるべきです。
最後に、会社のニーズや能力に応じたツールを選んでください。導入の容易さや、幅広いアプリとの連携に対応しているかどうか、セキュリティやガバナンス、コンプライアンスに対応しているかどうか、といった要素があります。頼りになるサポートチームと、投資利益率の面で優れた実績のあるツールを探しましょう。
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