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次世代「ノーマル」は、コラボレーションと人間中心主義

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編集メモ: これは IDC 研究部門長 (Social, Communities & Collaboration) Wayne Kurtzman 氏のゲスト寄稿です。

この 10 年で、企業のコラボレーションツール導入が進んできましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「自宅勤務」のニーズがその傾向を急加速させました。パンデミック以前、IDC の調査によるとこの市場は年間 20% 超のスピードで成長していましたが、新型コロナウイルスによりコラボレーションツールの導入は 5 年早まる結果になりました。これほどの劇的な変容が起きれば、人々の働き方もさまざまな点で変化する必要があります。特に、事業の継続だけでなく、IDC が呼ぶところの「次世代ノーマル」への移行を目指す企業にとっては言うまでもありません。

コラボレーションの力は、昔ながらのメールを、時間とコストを削減しながら人々をつなげる新しいツールに切り替えることから生まれます。こうしたツールはコラボレーションの文化の中で取り入れた場合に、特に効果を発揮します。コラボレーションは単なるテクニックではありません。適切なテクノロジーを使って、チームとして積極的にさまざまなものをシェアし、成功を収めようとする文化であり、全員が価値を提供して貢献できるという考え方でもあります。これは、チームや会社全体にとって抜本的な変革です。

IT 関連の支出の削減が予測されているにもかかわらず、IDC による全世界を対象とする調査によれば、企業の 54% が、今年、コラボレーションツールに対する支出額の上乗せを予定しており、CEO 対象の調査ではその割合はさらに高くなっています。

スマートフォンユーザーは、スマートフォンでは家族や友人、コミュニティとつながり、To-Do を片付けるアプリケーションをダウンロードできることを知っています。それなのに職場で同じことができないのはなぜなのか、不思議に思う人も少なくありません。

新型コロナウイルスによって、生き残るために、誰もが数年分のデジタルトランスフォーメーション計画を今、実行に移す必要に迫られています。そして職場の動きは遅いながらも、働き手の準備ができていることは、スマートフォンユーザーが証明しています。

コラボレーションの実現

コラボレーションはセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスを中心に構築する必要があります。労働者にとっては自身の個人データの安全性について、そして企業側は自社のデータの安全性について、信頼がなくては成り立ちません。

下の図の右側には、コラボレーションを有効に行うために必要なテクノロジーをまとめました。左側は、人々がより効果的に共に働くために導入すべき「コラボレーション文化」です。

コミュニケーションレイヤーによって、人々は人間らしく振舞い、会話や会議、短いテキストメッセージなどで (仕事以外で使用するときのように)、「人とのつながり」に関わる行動をとることができます。これによって、コラボレーションツール内でグループの結束が高まります。

コンテンツレイヤーでは、人々が仕事をするために必要なファイルや書類、コンテンツを追加します。

これらの 2 つのレイヤーは非常に重要ですが、その理由は読者のご想像とは違うかもしれません。こうした分野で、信頼できる使いやすいツールを会社が提供できない場合、働き手は自らそうしたものを持ち込みます。結局のところ、彼らは自宅で働いているわけで、自分たちの生産性を示す必要があります。働き手は、どんなツールがその目的を果たすのに役立つかを知っているのです。

生産性レイヤーは、あらゆる人にスーパーパワーを授けてくれます。これは、コミュニケーションレイヤーとコンテンツレイヤーと合わせて、仕事のフローをもたらす連携機能です。ワークマネジメント、記録システムの連携、マーケティングテクノロジーの連携などによって、時間とコストを大きく削減できます。IDC の調査では 3 種類以上の連携によって、1 人につき、週に 30 時間以上の大幅な時短が可能であることがわかりました。

コラボレーション文化はトップダウンとボトムアップの両方の変化であり、新しい規範を作り、サイロ化したメールからコラボレーションプラットフォームへの移行を後押しします。これを達成するには、人々がコラボレーションプラットフォームは自分たちの名案を共有しても安全な場所だと感じられなくてはなりません。コラボレーションは多くの人にとって初めて体験することであり、特に今のような時期は、安心感が必要です。チーム内の同僚がメンターとしてアドバイスしたりお手本を示したりすることは、適切な行動をとるよう促す上で、上司の指導よりも効果的です。組織の各レベルで、”正式な”メンターを設定することも、システムの管理者に、どの機能の改善が必要かをフィードバックする上で役立ちます。最後に、サイロや部門を超えて専門家にリーチできることで、新しい意見が加わり、これまでにないインサイトによって解決のスピードアップと、落とし穴の回避にもつながります。

古いやり方を捨てる

人々を新しい働き方に適応させようとするとき、それを阻む最大の壁が、「以前のやり方」のほうがよかったという考え方です。今、ほぼすべての人が、以前のやり方はもはや選択肢にないことを理解しています。今あるスキル、これから手に入れたいスキルにテコ入れすることは理に適っています。コラボレーションを通じて働きやすさを向上させることこそが、その目標を根本的に支えてくれます。

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