分散チームの管理: インクルーシブなコミュニケーションの実践に役立つ 3 つのヒント
この記事は英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語でもお読みいただけます。
私の仕事の一番いい所の 1 つは、チームの多様性です。私は Asana の収益マーケティング部門長を務めていますが、私のチームメイトは世界中に分散し、タイムゾーンもさまざまです。メンバー全員がオフィス勤務を再開しても、チームはアメリカやアジア、ヨーロッパ、オーストラリアに散らばった状態で勤務を続けることになります。
私のチーム構成を考えると、私は世界が突然リモートワークに移行する前から分散チームを管理する経験をたくさん積んでいたと思います。私にはその経験があるため、世界中でメンバー全員が分散して働く現状に対応する方法について多くの人々からアドバイスを求められます。
頻繁に出るトピックの 1 つがコミュニケーションです。チームが世界中に分散する中で、どうすればメンバーたちの居場所を問わずに、その全員とシームレスにコミュニケーションをとれるのでしょうか?(皆さんもすでに体験されていると思いますが、これは言うほど簡単なことではありません。)私はどのようにして、メンバー全員がチームの一員であると実感し、同じ情報を持てるようにしているのか。分散チームのリーダーとして、私自身が実践している 3 つのヒントを紹介したいと思います。
1. 文章を使ったコミュニケーションに慣れる
分散チームやリモートチームが抱える一番大きな課題の 1 つに、情報の非対称性が挙げられます。サテライトオフィス (またはチームメンバーが一番多いオフィスの外) で働くメンバーは、他のオフィス、特に本社の状況を知りたいと感じるでしょう。他のオフィスの状況を把握できないと、蚊帳の外にいる気持ちになり、チームとのエンゲージメントに苦労します。
この非対称性を解消すべく、文章によるコミュニケーションについて基準を明確にし、チームにいつ、何を伝えるのかを慎重に検討します。チームメンバー全員が揃っていないときに緊急会議を開いたり、休憩所で重要な会話をしたりするのは避けます。一部のチームメンバーと即興で意思決定をしたり、情報を共有したりする場合は、その内容を書き出して他のオフィスにいるメンバーたちにも伝えます。インクルーシブなコミュニケーションプラクティスを構築するのは、リーダーであるあなた自身のためだけではありません。残りのメンバーも同じように会話の内容を書き出し、それを他の拠点にいるメンバーを含め関係するすべてのメンバーと共有していることを確認しましょう。
2. チーム全体に週間アップデートを送る
特定のタスクや会話に関連するメンバー全員に対して文章による情報提供をするのが得意という人でも、チームに全体に週間アップデートを送信すると、何らかの情報を見落としたり、メンバーに情報が行き渡らなかったりするという事態を避けられるので便利です。
通常、私は、地域マーケティングチームへの週間アップデートとして、以下の内容を共有しています。
- その週に自分が取り組んでいる事柄 (苦労している事柄も含める)
- 主なパートナーであるセールスチームからの情報
- マーケティングリーダーやビジネスリーダーとのディスカッションから得た関連情報
- 主な成果や他のチームメンバーから得た教訓
- チームの価値観やカルチャーに関するリマインダー
私の週間アップデートは、毎回目新しい内容というわけではありませんが、チームメンバー全員が同じ情報を基によい結果を目指して仕事に取り組むことができます。アップデートは、チーム内での会話が増えるきっかけになるのことが多く、私は嬉しく思っています。
3. チーム会議の数を減らす
分散チームの管理にはタイムゾーンの課題が伴うため、会議の数を減らすようにしています (これが文章で頻繁に一貫してコミュニケーションを取ることがとても大切なもう 1 つの理由です)。しかし、すべての情報を書き出して、非同期的に伝達するようにしていても、会議が重要であることは変わりません。チームカルチャーの構築 (と維持) に役立つだけでなく、会話の内容によっては、相手の顔を見ながらの方がやっぱり話しやすいということもあります。私のチームでは主に以下 2 種類の会議を行っています。
- チームリーダーと 2 週間ごとに行う会議。 タイムゾーンが異なるため、こうした会議 (1 週間おきに実施) は、リーダーのうち少なくとも 2 人にとっては非常に難しいタイミングで行われています。こればかりは、どうすることもできません。チームメンバーが全く異なるタイムゾーンに分散している場合は、そうしたコールに参加しようと非常に早くに起床するメンバーや非常に遅くまで起きているメンバーが数人いるということですから、しっかりと尊重と感謝の気持ちを示しましょう。できるだけ簡潔に、大きなインパクトを生み出せるようにし、明確な議題をもって各コールを実施しましょう。
- チームメンバー全員で毎月行う会議。 こうした会議では、EMEA のメンバーと APAC のメンバーを考慮して時間帯をローテーションしています。参加できなかったメンバーが後から自分の時間で内容を把握できるように録画もしています。こうした会議は、チームの絆作りと仕事を兼ねて行っています。毎月、チームメイトを 1 名選び、ぺちゃくちゃ形式で 5 分間の自己紹介をしてもらっています。一緒のチームで仕事をしていなくても、楽しみながら他のメンバーについて知ることができます。そして、1 名か 2 名に最近のプロジェクトについて話してもらっています。最後に、私がチームに対するビジョンやチームカルチャー、価値観、順調に進行している仕事などについて話して締めくくっています。
自分がチームに与えるインパクトを知る
分散チームで誤解が生じることは避けられません。メンバー全員が毎日のように同じカンファレンスルームで仕事をしていても避けられないでしょう。個人的には、以下 3 つのヒントが大きな変化をもたらすと考えています。
メンバーが安心感を得て、意見が考慮されていると感じ、またチーム内で帰属意識を持てるようにすることは、私の仕事の大きな一部です。私がこれを上手にこなしていれば、誤解が生じても、すばやく解決できます。もっと大切なこととして、メンバー全員がそれぞれチームに与えるインパクトを自分で把握しているため、蚊帳の外にいると感じるメンバーは 1 人もいません。
分散ワークにおけるハイブリッド型のチームワークについて、他のヒントやベストプラクティスをお探しの方は、分散チームの管理術シリーズの他の記事をお読みください。